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2007年5月 8日 (火)

ハハキコク~血は争えない~

母親が帰国する日がやってまいりました。

すでに我が家の普通の景色となっている、母親のキッチンに立つ姿も今日まで。彼女は、お気に入りになった麦芽入り食パンを食べながら

「あ~よく遊んだ、遊んだ」

としきりに言う。この旅を終わりにしたくないけれど、もう帰るんだからと自分で自分に言い聞かせてるよう。

「さ~パパ、帰ろうね~。アメリカに残ると船が沈んで帰れなくなるよ」

私が中学生の時に亡くなった父親に呼びかけているらしい。母親の独り言は、常に父親に話しかけているので我が家では普通のことだけど、船が沈んでって・・・意味不明。

私「船が沈んでってどういう意味?」

母「おじいさんがね。そう言われたらしいよ」

何でも、父方の祖父は頭のいい人で、アメリカは何でも進んでいるって勉強していたから、一度はアメリカに行ってみたいと思っていたんだって。それで行こうと思っていた時、これを言われたのだそう。昔の人は、アメリカって戦争の敵だから、嫌っている人が多かったのに、ちょっと変わってる。だから、親戚のお姉ちゃんがアメリカ人と結婚する時も、反対すると思いきや、そんな事は無くて、むしろ祖父は賛成だったそうな。

私も「人生一度は外国に住んで、世界も見てみなくちゃ~」と思ってアメリカへ来たから、祖父の血が流れているせいかも・・・。

そして、空港へお見送りに。JFK(ジョン・エフ・ケネディ空港)はとても大きな空港だから、一人で帰れるか心配って人もいるけれど、とっても簡単なんです。ターミナルが9つあって、JALはターミナル1とか、アメリカンエアラインは9とかって分かれてる。だから、1つのターミナルは日本の地方空港みたいに小さくてシンプル。 成田空港みたいに「チェックインはどこのカウンターかなぁ」なんて迷ったりする事は無いんです。まあ、ターミナル間はモノレールで移動するくらいだから、土地が広くないと、こういう空港は作れないんでしょうけどね。

第1ターミナルへ着いたら、日本行きの乗り場だからか、日本人がいっぱい。

私「うわ~日本人がいっぱいだ。嬉しい~」

母「日本が恋しくなったら、ここへ来れば。あんたん家、近いんだし」

私「ええ~。わざわざ、そんなことしないよ」

母「そうかねぇ。私はよく上野へ行ったよ」

私「えっ?」

母親は新潟出身で、一人で都会に出て来て五反田に勤めていた。始めは言葉もなまっていて話しずらかったし、田舎では裕福な家に育ったから、都会に出てきて自分で働いて生活するのは大変だったらしい。上野へ行くと、田舎の人たちが見られるから安心したのかも。

でも、田舎では何不自由無い生活をしていたし、就職先もあったのに、何でわざわざ苦労しに都会に出てきたのか。

母「な~んにも無いところで、人の噂話も多いし、ここで人生送るのは嫌だと思ったんだよね」

私「えっ・・・・・」(確か私も日本だけを知って人生終わるのは嫌だと思ってたんだった)

母「あんたは私に似てるよ。私はどんなに辛くても田舎に帰りたくなかったし、今はこうして横浜で小さいけれど自分の家もあるし、好きに生活できて良かったと思ってる。横浜駅やみなとみらいにも散歩へ行けるし、色んなものも沢山あって飽きないし。娘もアメリカに住んだりするから旅行もできるし。これも頑張った結果なんだと思ってる。あんたもガンバンな」

なんと、ここにも同じ血が流れている人がいた。私はこの先ずっとNYにいるかは分からないけど、アメリカの他の街に住むかもしれないし、日本の横浜以外の街で新しい仕事に就くかもしれない、人生はまだ長いから分からない。でも、一度は飛び出してみたいっていう気持ち、これは明らかに血筋だね~。

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コメント

なんか、素敵なお母さんだね。
ずいぶん、長い時間NYCに滞在したのかな。
ちょっと、さみしくなるね。
自分も年を重ねてきて、年々お母さんと仲良く
なってきてるよ。
最近の楽しみは寝る前の母との晩酌。
この年になって、やっと母を尊敬していることに
気付いた私です。

投稿: kyoko | 2007年5月11日 (金) 06時29分

とうとうママ帰ってしまったんだ。ねえさんも寂しくなるね。
それにしても「船が沈んで帰れなくなる」って。ママは観光ついでに船旅で帰るのかと思っちゃったよ。
でも続きを読んで新しいことにチャレンジして頑張るねえさんはこうして誕生したのねと納得。お祖父さん(お父さん)とお母さんの血を濃くひいてるね。
そしてママの雰囲気はお嬢様育ちと聞いてそれも妙に納得。
そんな裕福の家庭に育ったにもかかわらず、自ら大変な道を選んで、結果こんな言葉を言えるママってすごいね。
私も将来こんな言葉が言えるといいな。

投稿: deka | 2007年5月11日 (金) 10時50分

ネットの調子が悪くて、やっとつながった~。

kyokoさん
尊敬かぁ、なんか分かる。自分に似ている、人生の先輩だけど、あそこまではなれないなと思う今日この頃。
お母さんと晩酌って一緒に住んでいるの?羨ましいかぎりです。

dekaさん
裕福でも商人の家庭だし、母親は相当じゃじゃ馬だったらしいから、お嬢様ではないと思う。けど、彼女いわく「金持ちを経験すると、貧乏は怖くない」らしいよ。何の根拠も無い話でホント?って思うけど。でも、昔家が大変だった時も、全然落ち込んだりして無かったから、ここら辺から来るのかも。


投稿: だらだら日記 | 2007年5月12日 (土) 05時26分

お母さん帰国しちゃうのは寂しいけどお母さんから楽しく生活する方法を学んだ気がするな。だらだら日記読んでて充実した日々を送ってたのが良く分かった。
娘が離れて暮らすことを心配している気持ちをグッとおさえてねえさんの生活を理解し応援してくれているお母さん、素晴らしいね!

日本が恋しくなったらJFKかぁ。うんうん、それも有りだね。
ねえさん頑張れ!!!

投稿: nenesaru | 2007年5月13日 (日) 20時45分

ありがと~!!
こうやって頑張ってコメントして、応援してくれる友達がいるのも、とっても嬉しいです。

投稿: だらだら日記 | 2007年5月16日 (水) 03時25分

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